生きるは作業のつみかさね

作業をすれば元気になれる!作業療法ノススメ。

難病のピアサポートについて(難病支援ネットジャパンと群馬モデル)

 当団体の中核事業、日本患者運動史編纂プロジェクトが2013 年度より厚生労働省委託事業難病患者サポート事業の調査・記録事業になりました。
タイトルも「日本患者運動史」から「日本の患者会WEB版」に変更になり、充実を図りました。

nsn-h.net

 

kanja-undosi.jp

患者会の3つの役割

私たちは患者会には三つの役割があるとしてきました。

第一は、自分の病気を正しく知ること です。セルフマネジメントとも通じると思います。

 

第二は、同じ病気の患者・家族どうしの助け合い です。あるいは同じ地域に住んでいる患者どうしの場合もあります。同じ病気、同じ地域に住んでいるという共通の共感があるからです。患者会の基本ともいえる「共感、共鳴」が基本にあります。ここからピアサポートが生まれます。

 

第三は、療養の環境の整備を目的とした社会への働きかけ、です。療養環境の整備ともいえると思います。病気を持ちながらも生活していかなければならないという側面も大きいと思いますし、何よりもまずよい医療を受けなければなりません。社会の偏見や差別にも立ち向かわなければなりません。

 

加えて、最近新たな患者会の役割として、研究への協力や、大きな災害への備えや被災者支援についても患者会の視点からの活動が行われるようになってきました。

 

 

ファイザー製薬

社会貢献活動webページ

www.manekineko-network.org

患者の力

社会学から見たピアサポート

 

 

 

yomidr.yomiuri.co.jp

 

難病の患者が、同じ境遇の患者と語り合い、気持ちを共有する――。難病のピアサポート(仲間による支援)で患者が前向きになれるとして、ピアサポーターを独自に養成する取り組みが各地に広がっている。

厚生労働省も養成プログラムを検討中だ。

 「カレンダーに予定が書き込めるようになったのがうれしい」「『充実』という言葉をまた使えるとは思っていなかった」

 群馬県難病相談支援センターが前橋市で開いた難病ピアサポーター養成研修会。昨年6月に始まって18回目のこの日は、これまでの自分の変化や今後の目標などを発表した。参加した難病患者7人は、自らの胸の内を率直に語り、互いの話に耳を傾けた。

 コーディネーターを務める同センター相談支援員で保健師の川尻洋美さんは、

「全員がこれまでの歩みを語り、同時に聞き手にもなった。自分の弱さをさらけ出すこともあったが、それが人間的な魅力にもなっている。今回は、一人一人がどのように変化したのかを確認し合う場にしたかった」

 と話す。

参加者の 弥勒みろくじ 雪さん(49)は20歳の時に皮膚筋炎と分かった。 膠原病こうげんびょう の一種で筋肉や関節の痛み、強い疲労感などが特徴。一時は看護師を目指したが、体調に不安があり、准看護師になる道を選んだ。

 症状に波があり、昨日できたことが今日できないこともある。自分の病気を伝えても、できないと「我慢が足りない」「甘えている」などと言われ、傷ついた。病気のつらさに加え、「言っても分かってもらえない苦しさ」に悩んだ。

 こうした思いをぶつけ、受け止めてくれる仲間と研修会で出会った。川尻さんの紹介で、4月に地元の看護大学で初めて講演した。難病で看護師になる夢を絶たれた話をすると、学生から励ましや「患者の心に寄り添える看護師になる」などの決意を記した感想が多数届き、勇気づけられた。

 弥勒寺さんは11日の研修会で「自分の生き方が誰かの役に立つのなら、どこへでも行って話をしたい」と語った。川尻さんは「孤立している難病患者も、誰かに必要とされる存在になりたいと思っている。自尊心を取り戻す場が必要」と研修会の意義を強調する。

 同センターの難病ピアサポーター養成研修会は、プログラムの中に、参加者によるピアサポートを取り込んでいる。他のセンターの多くが3回程度の座学で終わる中、群馬は各回2時間で来年3月までに計20回実施。修了者には、難病患者が集まるサロンなどに参加してもらう予定という。厚労省も「群馬モデル」として注目する。

 難病患者支援に関する厚労省研究班のメンバーで、難病のピアサポートに詳しい富山大准教授の伊藤智樹さんは

「患者同士が語り合うことで、気付かなかった自分が見えてくる。そこから新たな希望や目標が生まれ、患者それぞれの回復の『物語』が作られていく。そのような場の一つとして、難病のピアサポートをとらえることを提案していきたい」

と話している。

  [物語]  病気になったいきさつ、その時の気持ち、その後の出来事、気持ちの変化を通じて、自分自身をとらえ直すこと。厚労省研究班が昨年12月に作成した難病のピアサポートに関するハンドブック(群馬県難病相談支援センターのサイトから入手可能)に詳しい。

nanbyou.med.gunma-u.ac.jp

難病支援のためのハンドブック↓

https://nanbyou.med.gunma-u.ac.jp/peer/pdf/book2.pdf