コンパッション・フォーカス・セラピー(CFT)
コンパッションとは、日本語で「思いやり」「慈悲」の意味がある。
思いやりの心を理解し、自分にも他者にも優しく接することができるように訓練を重ねることで、自分に対する否定的な思いを薄め、うつ症状の軽減を図る。
自分の感覚や感情をあるがままに受け入れる心の訓練法「マインドフルネス」から米国や英国で発展した。
感情障害へのコンパッションフォーカストセラピーの治療マニュアルの作成と効果の検証
コンパッション・フォーカスト・セラピー / セルフ・コンパッション / 慈悲 / マインドフルネス / 思いやり恐怖 / 治療マニュアルの開発 / 臨床試験 / ランダム化比較試験 / 感情障害 / 治療マニュアル
研究成果の概要
コンパッション・フォーカスト・セラピー(Compassion Focused Therapy:CFT)の治療マニュアルを作成するために、CFTで利用されているエクササイズや技法を収集・選定し、プログラムを作成した。また、プログラムの安全性を検証するために、専門家集団および一般大学生を対象に予備的試験を実施した。同時に、コンパッションの深さを測定するためのコンパッショネイト・ラブ尺度を開発し、その信頼性と妥当性の検証を行った。そのうえで、感情障害をもつ患者に対して個別CFTの予備的試験および臨床群に対する集団CFTプログラムの臨床試験を実施し、プログラムの安全性および有効性を検証した。
研究成果の学術的意義や社会的意義
認知行動療法の限界を改善するために登場したメタ認知療法やマインドフルネス認知療法、弁証法的行動療法、ACTは反芻、苦悩、回避等の問題に焦点を当てており、CFTはコンパッションをより重視した点は排他的である。我が国では、約330万人を超える患者がおり、CFTがうつや不安等に対して汎用性のある治療法として新しい選択肢の一つになりうる。また、本研究では個別CFTだけではなく集団CFTを実施することにより低コストでの治療が可能となることが期待される。本研究により他の精神疾患を対象としたプログラムのプロトタイプになり、精神疾患への新たなアプローチとして本邦のCFTの実践研究が大きく発展すると考えられる。