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【双極性障害】双極性障害の遺伝子検査研究について。理化学研究所編。

 

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双極性障害の遺伝子検査研究
  • 世界最大規模の全ゲノム解析双極性障害の新規リスク遺伝子の同定に成功―脂質代謝異常症の遺伝子は双極性障害躁うつ病)と関連―

  • 双極性障害躁うつ病)の有病率は1%程度と推測され、ありふれた疾患ですが、その病態生理は完全に解明できていません。
  • 本研究では、双極性障害のリスク遺伝子同定を目的に、日本人サンプルでは過去最大規模となる約3千人の双極性障害サンプルと、約6万人の対照者を用いた全ゲノム関連解析を行いました。
  • 日本人サンプルを用いた解析では、コレステロール不飽和脂肪酸血中濃度と関連するFADS遺伝子領域に新規リスクを同定しました。
  • 脂質代謝に影響する遺伝子が双極性障害のリスクとなりうることが独立した研究で確認されれば、脂質代謝異常などを介入するなどすることで予防介入法・治療法、あるいは診断分類の開発に繋がる可能性があります。また、その他のリスクとなっている遺伝子でも機能解析をすすめることで、新規薬剤の開発などへの足がかりとなります。

研究成果から得られた上記以外の2つの新事実

  • 既に報告されている白人を中心とした結果と、本研究の日本人サンプル結果を結合させた解析では、新たに1個の新規領域(NFIX遺伝子)を同定しました。
  • さらに、日本人と白人双極性障害の遺伝的共通性を検討する解析において、白人のリスク効果は、日本人のリスク効果と有意に共通することが確認されました。

世界最大規模の全ゲノム解析で双極性障害の新規リスク遺伝子の同定に成功―脂質代謝異常症の遺伝子は双極性障害(躁うつ病)と関連― | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

 

 

双極性障害躁うつ病)にデノボ点変異が関与

双極性障害患者やその家族とのパートナーシップにより明らかに-

要旨

理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームの加藤忠史チームリーダー、片岡宗子大学院生リサーチ・アソシエイト(研究当時)、的場奈々大学院生リサーチ・アソシエイト(研究当時)、高田篤研究員(研究当時)らの共同研究グループは、双極性障害(躁うつ病)[1]に、両親にはなく子で新たに生じる「デノボ点変異[2]」が関与していることを、双極性障害患者とその両親のトリオ79組の全エクソン(ゲノムのうちタンパク質をコードしている部分)の塩基配列を解読・解析することにより明らかにしました。

遺伝子配列の個人差が双極性障害の発症リスクに関わることが、双生児研究などから示されています。また遺伝子配列の個人差には、両親から受け継ぐものとともに、子において新たに生じる突然変異があることが知られています。近年、両親にはなく、子において新たに生じたデノボ点変異のうち、特にタンパク質配列(タンパク質のアミノ酸配列)を変化させる変異が、自閉スペクトラム症[3]統合失調症[4]の発症に関与していることが分かってきました。しかし、双極性障害とデノボ点変異の関連についての報告はありませんでした。

共同研究グループは、双極性障害患者とその両親のトリオ79組において、全エクソン塩基配列を解読しました。さらにトリオ79組のデータと、過去の研究で報告された統合失調感情障害[5]の患者で認めるデノボ点変異のデータを組み合わせた複合的な解析を実施しました。

その結果、双極性障害患者では、一般人口ではタンパク質配列を変化させるデノボ点変異がほとんどない遺伝子に、“タンパク質配列を変化させるデノボ点変異”が多いことが分かりました。また、双極Ⅰ型障害[1]患者と統合失調感情障害患者を組み合わせたグループでは、健常対照群と比べて、タンパク質配列を変化させるデノボ点変異が多いことが分かりました。さらに、このようなデノボ点変異を持つ双極性障害患者は、発症年齢が若いことも分かりました。これらの知見は、躁・うつの症状を伴う精神疾患群のうち、特に早期発症かつ症状が比較的重い群(双極Ⅰ型障害と統合失調感情障害)では、タンパク質配列を変化させるデノボ点変異が発症リスクに関与していることを示しています。

今回の研究では、複数の患者で同じ遺伝子にタンパク質配列を変化させるデノボ点変異を持っているケースはなく、双極性障害の原因遺伝子を特定することはできませんでした。今後、どの遺伝子の変異が双極性障害の原因となるのかを特定することで、双極性障害の原因解明、治療法・診断法の開発につながると期待できます。

双極性障害(躁うつ病)にデノボ点変異が関与 | 理化学研究所

 

 

双極性障害とは

双極性障害双極性障害」は、躁状態うつ状態をくりかえす病気です。躁状態うつ状態は両極端な状態です。その極端な状態をいったりきたりするのが双極性障害です。
双極性障害」はかつて「躁うつ病」といわれていました。そのこともあってうつ病の一種と誤解されがちでしたが、この二つは異なる病気で、治療も異なります。
原因が完全には解明されていないことから、正確な検査方法はまだ開発されておらず、日本に数十万人の患者さんがいると見積もられますが、日本での本格的な調査が少なく、はっきりしたことはわかっていません。
双極性障害の治療においては、周りの環境や本人の人生に大きな影響を及ぼすことから、早い段階から予防療法に取り組むことが大切です。