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【薬物依存症】麻薬について考える①

 

麻薬とは何か

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麻薬とは何か

主な依存性薬物とその特徴

覚せい剤メタンフェタミン)」は強烈な覚醒効果と快感をもたらすので、強い精神依存が形成され、日本ではもっとも問題となっている乱用薬物です。乱用により高頻度で出現する被害妄想・迫害妄想・幻聴・体感幻覚などの精神病性障害は断薬後もしばしば慢性化します。また注射の「回し打ち」によるウィルス感染も問題となっており、医療機関を受診する覚せい剤乱用者の半数近くはC型肝炎抗体陽性です。今後はHIV感染の拡がりも懸念されます。

有機溶剤」としてはシンナー・トルエン・ボンド等のほかライターガス等も乱用されます(「ガスパン遊び」)。これらは入手しやすく、15歳前後という低年齢で乱用が始まることが多いため、心身の発達の上で深刻な障害をもたらしします。

大麻」は海外では最も乱用されている薬物ですが、最近は国内でも押収量と検挙者が激増しており、乱用拡大が非常に懸念されます。その害は軽く考えられがちですが、急性パニック状態や幻覚・妄想状態などをもたらし、しばしば慢性化します。大麻の薬理作用は主成分であるTHCによるものですが、個体差や乱用状況による差が大きく大変複雑です。

「医薬品」としては、睡眠薬抗不安薬(精神安定剤)・鎮痛薬・咳止めなどが乱用されることがあります。これらの医薬品は違法でない分、入手と使用継続が容易で、依存からの回復がかえって難しい面があります。これはアルコール依存にも言えることです。

 

覚せい剤 

脳内で働く中枢神経刺激薬のことで、精神依存性が非常に高いため社会生活を困難にする恐れのある薬物。

 

覚醒剤は、脳内を刺激させる(脳内快楽物質であるアドレナリンと同様の作用)中枢神経刺激薬のことで、その依存性の高さなどから法律上規制されています。

社会問題となっているものとして、「覚醒剤」には主にメタンフェタミン(商品名ヒロポンとして知られる)、「麻薬」および「向精神薬」には、ヘロイン、コカイン、MDMA、LSDリタリンなどがあります。

覚醒剤の問題として、使用中に現実認識能力が欠如することなどによる異常行動と薬物依存があります。 薬物依存にはさらに依存性と耐性という二つの問題があります。

耐性とは、効き目が現れるまでの量が増えていく(慣れが生じる)ことで、この耐性が酒・煙草などに較べて極端に早く生じ、依存症になる量に到達するまでが早く、適量をコントロール出来ないことです。「少しだけなら」は禁物ということです。

依存性とは、覚醒剤の場合は劇的な高揚感体験による精神依存が非常に強いのが特徴です。この精神依存による禁断症状が原因で統合失調症に似た症状を発症する者が多く、社会生活が送れなくことが大きな問題となります。特に、使用を止めてからも長期間にわたり、薬物使用時の快楽感覚が蘇る(フラッシュバック)ことがあり依存症から抜け出すことを難しくしています。

LSDの依存性については評価が不確定ですが、現状認識能力欠如による異常行動や強いフラッシュバックによるパニックなどの危険性から向精神薬の指定を受けています。

 

ヘロイン(へろいん)

けしの実からとれるあへんを元に複数の工程を経て作られる。
依存性が極めて高い物質。麻薬の1種で法により取り扱いを厳しく規制されている。

 

けしの実からとれるあへんを元に複数の工程を経て作られます。依存性と激しい禁断症状が特徴です。

依存性の原因の第一には、この薬物がもたらす多幸感があります。第二に、激しい禁断症状です。体中の関節に激痛がはしり、悪寒、嘔吐、失神などを引き起こします。この症状から逃れるために再びヘロインを摂取しようとします。その激しい禁断症状が続くと、正常な精神活動をたもてなくなり、人格が崩壊してしまうこともあります。ショック状態に陥ると、こん睡状態から呼吸停止、死に至る場合もあります。

依存性の極めて高い麻薬の1つとして「麻薬及び向精神薬取締法」によって製造や所持および医療機関における使用についても厳しく規制されています。

 

モルヒネ(もるひね)

アヘンから生成される麻薬性鎮痛薬。依存性が高く日本では麻薬に指定されている。

 

ケシから採取されたアヘンより生成されるアルカロイドの1種です。

モルヒネは、麻薬の一種であり、強い依存性をもっています。そのため、法律でも、使用や所持、製造に対し厳しい規制が設けられています。
一方で、適切に処方や服用をした場合、依存は起こらず強い鎮痛効果を期待できます。医療では、疼痛をコントロールすることで、QOL(Quality Of Life)が向上したり、治療への意欲が増すことが期待され、がんによる疼痛など強い疼痛を緩和する目的で使用されています。
ただし、モルヒネの副作用として、便秘はほぼ100%、悪心嘔吐は40~50%の症例でみられると報告されています。

 

www.e-healthnet.mhlw.go.jp

 

 

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主な薬物の例

睡眠薬(すいみんやく)

睡眠障害改善剤 / 睡眠導入薬 / 入眠薬 / 催眠鎮静剤 /

睡眠を誘発し、持続させるための薬物。症状に合った薬剤を医師の処方によって服用する。

 

最近では睡眠導入剤とも言われます。文字通り睡眠を促す薬で、不眠状態や睡眠が必要な状態に使われる薬の総称です。

その構造によって、ベンゾジアゼピン系、シクロピロロン系、バルビツール酸系チエノジアゼピン系、や抗ヒスタミン薬などに分類されます。また、作用時間によっても超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類されます。

以前はバルビツール酸系の薬剤が主に用いられていましたが、依存しやすいという問題などから現在は比較的安全なベンゾジアゼピン系が多く使われています。ベンゾジアゼピン系は、脳の興奮を抑制するギャバという神経伝達物質の働きを強めるため、催眠作用があると考えられています。

使用には、疾患を併せ持つ場合や他の薬剤との併用などは副作用などの恐れもあるため、医師の診断が必要です。また、最近の睡眠薬は安全性が高くなりましたが、突然中止すると症状が悪化する場合もあります。

 

精神安定剤 / 抗不安薬(せいしんあんていざい)

トランキライザー / 抗精神病薬 /

不安障害などによる不安やイライラを軽減・解消するための薬剤。使用には医師の的確な処方が必要である。

 

不安や緊張などを軽減、解消をする薬のこと。マイナートランキライザーメジャートランキライザーの2種類があり、どちらも中枢神経に作用します。

マイナートランキライザー抗不安薬とも言われ、主に神経症うつ病心身症などに利用されます。比較的軽度の不安の緩和や、気分を落ち着かせることができます。眠くなることが多いため、睡眠補助剤として使われる場合もあります。

メジャートランキライザー抗精神病薬とも言われ、統合失調症アルコール依存症などに用いられます。強い抗精神作用を持つ薬で、マイナートランキライザーでは対応できない、極度の不安などを取り除くことができます。急性の精神障害の治療や、その他にも幅広い精神疾患に使用されます。

一般的に精神安定剤という場合、多くがマイナートランキライザーを指しています。成分としては、日本では、大半がベンゾジアゼピン系とチエノジアゼピン系の薬です。しかし、ベンゾジアゼピン系は乱用すると依存症が現れる恐れがあるので、専門医の指示に適切に従う必要があります。

 
 

 麻薬の歴史

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麻薬の歴史

 

 

 アルコールについて

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アルコールについて

 

わが国の飲酒パターンとアルコール関連問題の推移

日本の飲酒量は戦後から最近まで増大し続け、それに伴い様々な飲酒問題が生じてきました。今後は女性の飲酒習慣に伴う女性の飲酒問題や内科等に潜在する問題飲酒者に対する対策、ならびに「健康日本21」等における予防対策が重要と考えられます。

 

1. 飲酒量の推移

お酒は食品の一種であると同時に、冠婚葬祭やお祭りでの飲酒やお神酒など社会的役割も担っています。一方で不適切な飲み方は、健康を害するだけでなく、飲酒運転など社会的問題を引き起こすこともあり、飲酒は社会と密接なかかわりがあります。
国全体の飲酒に影響を与える要素として都市化や第二次および第三次産業就業者割合などの社会指標やGNP・国民一人当たり所得などの経済指標があります。日本でも戦後の経済発展もあり90年代後半まで飲酒量は増大してきましたが、最近は高齢化の進展もあり頭打ちから低下傾向となっています。
また酒類販売の内訳をみても「1. 焼酎の増加」「2. 第三のビールなど税金の安い低価格の酒類の増加」「3. ウィスキー・清酒の大幅な減少が見られています」(図)[1]。全体的にみて低アルコール志向が強まってきていると言えます。

酒類販売(消費)数量の推移

酒類販売(消費)数量の推移

他の変化としては女性の飲酒者の増大が挙げられます。
厚生労働省の調査[2][3]では、週に3回以上飲酒する習慣飲酒者は、男性では51.5%(平成元年/1989)から、35.1%(平成23年/2011)に減少していますが、女性では6.3%から7.7%と逆に増加しています。特に出産・育児年代に当たる20代30代では、それぞれ4.1%⇒8.3%、8%⇒11.9%と大きく増加しています。これらのことから若い女性が以前より飲酒するようになっていると考えられ、将来の飲酒問題の悪化が懸念されます。

2. アルコール関連問題の推移

一般成人人口における飲酒パターンおよびアルコール関連問題の実態については、平成15年(2003年)に全国調査が行なわれており、有害な使用(この調査の場合アルコール依存症も含めています)に該当するものが、男性の4.8%/女性の0.5%、そのうちアルコール依存症がそれぞれ1.9%/0.1%であり、依存症者の数は81万人と推計されています。
しかし厚生労働省の患者調査では、治療を受けている患者数は年間5万人前後と推測されており、殆どの患者さんは専門的な治療を受けていないと考えられます。また精神科以外の病院でも入院患者さんのうち14.7%は飲酒がらみであり、約1兆5千億円の医療費(1986年推計)がアルコールに起因しているという報告もあります。過量飲酒による疾患の代表であるアルコール性肝炎でも、推計総患者数はそれぞれ9千人(平成5年/1993年)⇒3万3千人(平成23年/2011年)と増加するなど、飲酒によって引き起こされる健康問題は今でも非常に大きな問題となっています。

3. まとめ

日本における飲酒量は経済の発展に伴い増大してきました。飲酒量が伸び悩んでいる最近でさえもお酒に関連した問題は依然として大きく残っています。病気になってしまってから、これまでの飲酒パターンを変えることは実際には非常に困難ですから、まずは病気にならないように「健康日本21」等を参考にお酒との付き合い方を考え直してみましょう。