マインドフルネスは仏教の教え「八正道」から
仏教の八正道に着目している。八正道とは2500年の歴史を誇る仏教の智慧の結晶で、心を調え、心をつくるための理論と実践方法が凝縮されており、お釈迦様が最初の説法において説いたとされる8つの道、そして現代にも通用する心をつくる仏教の智慧である。
八正道とは次の8つから構成される。
(1)正道=先入観のない見方
(2)正思惟=「脱自分本位」思考
(3)正語=「思いやり」のコミュニケーション
(4)正業=習慣化の技術
(5)正命=使命感
(6)正精進=やり抜く力
(7)正念=今・ここ・私への気づき
(8)正定=最高の集中状態「ゾーン」
特に(7)イマココ、が大切らしい。
医療分野での応用
マインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction; MBSR)
マインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction; MBSR)は、大学院生時代に禅、ハタ・ヨーガ、ビパッサナー瞑想を実践し始めたJ. Kabat-Zinn氏が人生の苦に対して仏教的アプローチが医療に役立つと考え、補完医療として非宗教的な形で患者中心の体験的教育プログラムとして開発した。1979年にマサチューセッツ大学医療センターで慢性疼痛患者を対象にした臨床試験で効果が示唆された。それ以降、多くの心身の疾患への有効性が報告されている。世界中で約720の医療機関で採用
マインドフルネス認知療法
マインドフルネス認知療法(マインドフルネスにんちりょうほう、英:Mindfulness-based cognitive therapy:MBCT)は、マインドフルネス(気づき)を基礎に置いた心理療法で、第3世代の認知療法の1つ。心に浮かぶ思考や感情に従ったり、価値判断をするのではなく、ただ思考が湧いたことを一歩離れて観察するという、マインドフルネスの技法を取り入れ、否定的な考え、行動を繰り返(自動操縦)さないようにすることで、うつ病の再発を防ぐことを目指す。
1979年に、痛みの患者のために開発されたマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を、うつのために転換したものである。MBSRが身体のストレスであるがん、慢性疼痛、心臓病や線維筋痛症に焦点を当てているのに対し、MBCTはうつ病、不安、燃え尽き、摂食障害といった認知に焦点を当てている。危険な副作用を持っている可能性は低く、教育、妊娠中、刑務所などで使用されている。
ボディースキャン
<ボディスキャン瞑想のやり方>
(1)肩幅程度に足を広げてゆったりと立つか、背筋を伸ばして椅子に座ります。
(2)心地よく自然な呼吸を行います。軽く目を閉じます。
(3)朝や昼であれば、明るい窓辺で行うのもお勧めです。太陽の光が自分の頭のてっぺんから体の中に入ってくる感じをイメージします。夜であれば体の各部位を懐中電灯で照らしながらチェックしていくようなイメージを持ってもよいでしょう。普段は無視している微細な体の感覚をじっくりとチェックしながら感じていきます。
(4)まず自分の頭部をスキャンしましょう。光で頭の表面や頭の内部をくまなく照らしていくイメージを持つと、普段は意識していない頭の皮膚感覚や脳の状態をチェックしやすくなります。もしかしたら頭の皮膚の一部がかゆく感じるとか、髪の毛がかすかに風で揺れている感覚に気づくかもしれません。感覚をキャッチしたら、「あ、かゆみがある」とか、「あ、髪が揺れている」と気づいてください。
(5)過緊張や睡眠不足の人は、頭の中に重い不快な塊のような感覚があることもよくあります。そうした不快な感覚をキャッチしたら、呼吸に合わせて新鮮な空気をその塊に送り、不快な感覚を呼気とともに吐き出すイメージを何回か行ってみてください。多少でも不快感が和らいだら、次の体のパーツにスキャンを移動させましょう。
(6)同じように光で照らしていくイメージを続けながら、両目、鼻、口周り、ほほ、顎などそれぞれのパーツの感覚を入念に意識して感じ取ってみてください。
(7)知らず知らずに緊張していると、目の周り、ほほ周りの筋肉が固まっていたり、歯を食いしばっていたり、顎に力を入れていることがよくあります。力が入っているな、固まっているなと感じたら、その箇所に呼吸とともに新鮮な空気を送りながら、意識的に力を緩めてあげてください。
(8)続いて同じように光の流れとともに、首→両肩→胸→背中→腹→お尻→左右の太ももからふくらはぎ→両足底といった感じで、次々とそれぞれの部位を意識しながら、様々な感覚をスキャンしていってください。全身をスキャンする時間がないときは、「頭部と首筋だけ」「肩と背中だけ」などと部位を決めて行ってもかまいません。
することモード(doing)
目標を立て、現状を評価して改善し、目標達成を目指す心の在り方。
あることモード(being)
今ここにある体験をありのままに気づくこと。
「良い・悪い」「正しい・間違い」と評価しない。
座瞑想(ざめいそう)
呼吸に意識を向けること。