【がん電話相談から】アフラック古出社長に聞く 小児・AYA世代を積極支援「経済的・精神的苦難からを救いたい」
「がん電話相談」の事業に参画するアフラック生命保険では電話相談はもとより、「『生きる』を創る。」をメインテーマとした社会貢献活動を積極的に展開している。その一環で近年は小児世代と、それに続くAYA世代(15〜39歳ごろまでの世代)のがんへの支援にも力を入れている。がんとの共生社会を目指して開催されたイベント「ネクストリボン2020」で同社の古出眞敏社長に話を聞いた。
- 【がん電話相談から】アフラック古出社長に聞く 小児・AYA世代を積極支援「経済的・精神的苦難からを救いたい」
- 宿泊施設や奨学金制度
- アスリートから勇気を
- 社内制度も充実
- アフラック生命保険
- トップメッセージ
宿泊施設や奨学金制度
「がんといえば、中高年や高齢者に多い病気のイメージですが、必ずしもそうではなく、小児や若い世代のがんも少なくなく、そうした世代のサポートはますます重要になっています」
古出社長はこう説明し、具体的な事業として、アフラックペアレンツハウス(自宅から離れた場所で治療を受ける難病の子供と家族のための宿泊施設)▽アフラック小児がん経験者・がん遺児奨学金制度▽ゴールドリボン運動(寄付で小児がんの子供・家族を支援)−を挙げる。
狙いについて、「小児がんは合併症を抱えながらその後の生活を送らなければならないことなど深刻な課題があります。AYA世代でがんに罹(り)患(かん)することは、人生の転換期に大きな困難を抱えることを意味します」とし、「患者さんとご家族に寄り添い、少しでも経済的、精神的な苦難から救いたいのです」と説く。
若年層で発症するがんは、一般的ながんとは種類が異なる。小児期は白血病やリンパ腫などが多く、AYA世代では白血病や甲状腺がんに加え、乳がん、子宮頸(けい)がんが多発する。
実際、がん電話相談には子育て中の若い母親が乳がんになって入院して、「今後どうしたらいいのか」と突然降りかかった悲劇に困窮する家族からの相談なども寄せられている。
アスリートから勇気を
同社のCMにはいま、阪神タイガースの原口文仁選手(28)が登場している。昨年1月に大腸がんの手術を受け、その後、懸命にトレーニングを積み、同年途中に一線に復帰したストーリーがテレビで放送されている。
また、骨肉腫の治療を受けた谷真海(まみ)さんが義足のアスリートとしてパラトライアスロン世界選手権(2017年)で優勝するなど輝かしい成績を残していることも紹介されている。
「当社のCMなどを通じてがんと闘う若いアスリートや著名人の生き方を紹介することで、勇気を与えられたらと思います」
社内制度も充実
また、がん治療を理由に「会社をやめさせない」との方針から、社内に「がん・傷病就労支援プログラム」を構築しているのも特徴だ。
「私たちが目指すのは、社内の取り組みにとどまらず、『がんや病気にかかっても安心して自分らしく働ける社会』の実現です。若くしてがんを経験した人には、当社の取り組みに期待いただき、その後の長い人生を、希望を失わず、安心して学び、社会で活躍していただきたいと心から願っています」と古出社長は強調する。
プロフィル こいで・まさとし 昭和35年、東京都出身。東大法学部卒。銀行勤務を経て、米コーネル大ロースクールに留学。ニューヨーク州弁護士登録。平成10年、アフラック入社。いったん退社したのちに復職、29年、日本における代表者・社長、30年から現職。
アフラック生命保険
トップメッセージ
当社は、「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」という想いを共有した先人達が幾多の困難を乗り越えて、1974年11月に米国生命保険会社の支店として日本初となるがん保険とともに創業しました。以来、さまざまな時代の変化に対応しながら社会と共有できる価値を創造するCSV※経営を実践してまいりました。
おかげさまで現在では、1,500万人を超えるお客様から2,400万件以上のご契約をお預かりする保険会社にまで成長することができました。これまで当社を支えていただいたお客様やビジネスパートナーをはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまに心から感謝申し上げます。
2018年4月2日、当社はこうしたステークホルダーの皆さまとの絆をこれまで以上に深めるとともに、日本社会により一層貢献していくために、日本法人に会社形態を変更し、「アフラック生命保険株式会社」として新たな一歩を踏み出しました。これからも、脈々と受け継がれるコアバリュー(基本的価値観)を大切にしながら、社会的課題の解決に向けて新たな価値を創造し続けてまいります。
さらに当社は、誰もが安心で健やかに自分らしく生きる社会の実現に貢献するために、「Aflac VISION2024」を掲げ、日本での創業50周年にあたる2024年までに「生きる」を創るリーディングカンパニーへ飛躍することを目指しています。
今般、この「Aflac VISION2024」を着実に実現していくために、これからの3年間において、とくに注力すべき経営戦略「アフラック 中期経営戦略(2020~2022年)」を策定しました。
本戦略では、デジタルイノベーションの積極的な活用を前提として、「新たなガバナンス態勢のもとでの機動的な業務運営の強化」「人財マネジメントに関する抜本的制度改革」「成長のためのイニシアチブ」「強固な財務基盤の維持と成長投資」の4つの戦略を通して成長への好循環を創出することを目指しています。当社は、これからも「生きるための保険」のリーディングカンパニーであり続けるとともに、主力ビジネスであるがん保険や医療保険と親和性の高いヘルスケア領域においてビジネスフロンティアを広げていくことで、「生きる」を創るリーディングカンパニーとして、これまで以上にお客様のお役に立てる会社となるよう尽力してまいります。
今後とも変わらぬご指導、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
アフラック生命保険は「がん電話相談」を、がん研究会、産経新聞社と共同で運営。同社が米本社の日本支店として日本初のがん保険事業を始めたのは昭和49年、がん電話相談の事業には57年の開設時から参画している。
同社では「これまで以上に日本社会に根差し、身近な保険会社として絆を強めていきたい。がん電話相談にはがんに関するさまざまな悩みを寄せていただければ」(同社・社会公共活動推進室)としている。
がん電話相談は毎週月曜日から木曜日(祝日除く)午前11時〜午後3時に受け付けます。電話は03・5531・0110、無料。