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がんに負けるな。伊藤忠商事社長のメッセージ。

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がんに負けるな

 

がんに負けるな

「がんに負けるな」伊藤忠商事株式会社のがんとの両立支援の取組


平成29年8月,伊藤忠商事株式会社は,社員ががんに怯えることなく,負けることなく,働き続けられる環境設定が社員の活力,組織の活性化を生むという考え方のもと,健康経営の方針に則った「がんとの両立支援施策」を新たに開始した。

以前より健康管理体制の充実を図り,高額医療費補助や長期疾病への支援施策は整備されていたが,今回の支援拡充のきっかけは,がんで長期療養中の社員が,社内の支援体制への感謝を岡藤正広社長にメールで送付したことであった。その社員は闘病の末に亡くなったが,悲報を受けた岡藤社長が「がんに負けるな」という標題のメッセージを全社員に送付し,支援拡充の決意を表明した。

その後,「予防」「治療」「共生」の3つの観点からなる「がんとの両立支援」として,国立がん研究センターとの提携による定期的な検診や,両立支援体制構築,高度先進医療費の支援充実,子女育英資金の拡大等の施策を推進することを決めた。

がんとの両立支援の主な施策

「予防」

  • 国立がん研究センター中央病院と提携し,40歳以上の社員は定期的に特別がん検診を義務化。検診費用は全額会社負担。検診結果に応じて早期の精密検査を実施。

「治療」

「共生」

  • 社内の相談窓口を担う両立支援コーディネーターを配置(主治医,社内の保健師産業医,職場のメンバーと連携強化)
  • 療養中の社員が在職中に死去した場合の子女育英資金制度(小学校から大学院までの学費支給)の水準引上げ,社員の配偶者や子どもの就労支援 等

人材は最大の経営資源であり,社員一人ひとりが最大のパフォーマンスを発揮できる健康力の向上こそが,人材力の強化に繋がり,ひいては企業価値を向上させる。同社は,こうした取組を通じて,病気の有無を問わず全ての社員が持続してやる気やりがいを持ち,安心して思う存分に働き,能力を最大限発揮することのできる職場の実現を通じ「厳しくとも働き甲斐のある会社。日本一強くいい会社。」を目指す。

(岡藤社長が全社員にあてたメッセージ)

(岡藤社長が全社員にあてたメッセージ)

コラム9 「がんに負けるな」伊藤忠商事株式会社のがんとの両立支援の取組

 

 治療と仕事の両立支援を確立する企業

 

がん患者の3人に1人を働く世代が占める中、仕事と治療の両立支援は企業の課題だ。昨年12月のがん対策基本法改正で、がんになった従業員の雇用継続に配慮する努力義務が定められて1年が経過する。まだ手探りの企業は多いが、病院紹介や医療費補助など手厚い制度を創設したり、無理なく働けるよう職場の意識改革に取り組んだりする企業もある。

 

 ◆家族のつもりで

 「がんに負けるな」

 7月、伊藤忠商事の岡藤正広社長はこんなメッセージを約4300人の全社員に送った。「がんや重い病気になったら自分の家族が闘病しているつもりで臨む。安心して、職場で相談し、支援できる体制をつくりたい」。自身も大きな病気を経験しており、がんで亡くなった社員から治療中に届いた「日本で一番いい会社」というメールに心を動かされたという。

 がんの早期発見ができるよう、同社は国立がん研究センターと提携し、平成30年度から40歳以上の社員は毎年受ける人間ドックと併せて、定期的にがん検診も無料で受けられる。治療が必要な場合は、会社が全国のがん診療連携拠点病院を紹介する。

また、民間の保険会社と契約し、先進医療を受ける際の費用を補助。保険料は健康保険組合が負担する。社員が亡くなった場合の子供の教育費補助や、配偶者の雇用制度なども周知する。

 これまで、治療中に利用できる時短勤務や傷病休暇などはあったが、組織全体で従業員を支える仕組みは、十分ではなかったという。

 患者が会社に迷惑をかけたくないと考えたり、「負担が増える」と周囲が不満を持ったりすると、支援は進まない。「発想を変えるには、所属長が変わる必要がある」として、幹部が集まる会議で、がんになった社員の治療と仕事の両立を話し合った。

 

 

◆がんアライ部

 

 外部企業などと連携する動きもある。ライフネット生命保険は10月、岩瀬大輔社長と支援団体の代表ら7人で、がんになっても働きやすい職場について学び情報交換する「がんアライ部」を立ち上げ会員募集を始めた。

 都内で開かれた勉強会には、首都圏や大阪から約50人の企業の人事担当者が参加した。働くがん患者を支援する「キャンサー・ソリューションズ」(東京)の桜井なおみさんは、抗がん剤の副作用で手足がしびれても他人に分かりにくいことを紹介。それを体験するため、軍手をはめた手にゴム手袋を着けて名刺交換した。しかし、うまくいかず、参加者からは「焦る」「ストレスがたまる」などの声も聞かれた。

がんの経験者で発起人のクレディセゾンの武田雅子キャリア開発室長は「実績を積み重ねれば、子育てや家族を介護する人も働きやすい会社に変わる」と訴えた。

 ただ、取り組みに積極的な企業は限られている。

 国立がん研究センターの高橋都がんサバイバーシップ支援部長は「何から始めればいいのか分からない企業は、まだ多い。担当者同士が試行錯誤した経験を共有できれば、がんになっても働くための選択肢は増えていくでしょう」と話した。

                   ◇

【用語解説】がん対策基本法

 がん医療や研究の充実を目指し、平成19年に施行された。基本法に基づき、政府は24年に策定した「第2期がん対策推進基本計画」で、がん患者とその家族の不安や仕事と治療の両立を、社会全体で支える取り組みを実施することを明記。28年12月に改正された基本法には「事業主は、がん患者の雇用の継続に配慮するよう努める」という項目を新たに盛り込んだ。

 

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