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【前立腺がん】腺友ネットの紹介。男性患者会は珍しい。

さまざまながんの患者会があるが、これまでは活動の中心を担うのは女性で、前立腺がんや精巣腫瘍のように男性特有のがんの患者会は少なかった。

最近ようやく、男性による患者会活動が広がりを見せている。

 

以下に報告する。

 

 

患者会の力

がんの告知を受けてただでさえ混乱した頭で、専門的な話を理解し、比較するのは難しい。がんになったとき、頼りになるものの一つが治療を受けた経験談などを共有できる患者会だ。

 

腺友倶楽部

2016年12月、東京都立川市昭島市にまたがる国営昭和記念公園でランニングとウオーキングのイベント「Mo(モー)フェスタ」が開かれた。

男性のがんや病気の啓発イベントとしてオーストラリアで始まった催しの日本版。Moは英語のマスターシュ(口ひげ)に由来する。

 患者や家族、支援者ら参加者は、自前のひげをたくわえたり、付けひげをしたりして参加する。一斉に駆けだすのをうれしそうに見守っていたのが、兵庫県宝塚市の武内務さん(68)。主催団体の一つである前立腺がん患者会NPO法人「腺友倶楽部」の理事長だ。

pc-pc.org

 武内さんは平成16年、進行した前立腺がんと診断され、5年生存率2割と宣告を受けたという。海外サイトも含めインターネットで情報を探し、最新の放射線治療を見つけて治療を受け、今は小康を得ている。

NPO法人腺友倶楽部」設立に際し (2016年4月)

NPO法人腺友倶楽部  理事長 武内 務

 

男性のがんで患者数が最も多いのは前立腺がんですが、世間ではこのことはほとんど知られておりません。前立腺がんの患者会も、欧米では活発ですが、日本ではなぜか皆無に等しい状態が続いていました。

前立腺がんの治療法というのは多岐に渡り、一つの医療機関でその全てが可能な施設はほとんどありません。しかし、患者が接するのは、一人の泌尿器科医が普通なので、治療選択肢はおのずと限定されてしまいます。こうした医療環境は、患者にとって心穏やかなものではなく、患者同士のサポートやアドバイスは必要不可欠と思われます。

私自身、自らの治療にあたって、前立腺がん情報の収集に大いに苦労した経験から、その後約10年、前立腺がん情報の発信を続けてきました。アクセス数が増えるにつれ、Web上の患者会のようになって来たので、2014年秋、全国規模の「腺友倶楽部」(前立腺がん患者・家族の会)の設立を呼びかけました。本格的に活動を始めたのは2015年からですが、すでに東京や大阪で「前立腺がんセミナー」の開催等を行ってきました。

NPO法人設立に踏み切った動機は、前立腺がんの社会的認知度の低さに風穴を開け、より規模の大きい活動に取り組むには、経理上の透明性の確保と共に、他の関連団体との連携も必要と思われたからです。
前立腺がんの早期発見と並んで、病状に応じた適切な治療法選択の重要性を、社会全体に発信するには、患者団体としてどのようなことが可能でしょうか。その答えの一つとして「Mo-FESTA」という新しいムーブメントを考えています。詳しくはまた別の機会に。

会員数はこの年度内に300人を越えることは間違いありません。会員同士協力し合い、NPO法人として新たに始めるこのような活動を通じて、前立腺がんの医療環境の改善と共に、社会全般の健康、福祉にも貢献できればと願っています。

「腺友倶楽部」設立への思い (2014年11月)

腺友倶楽部 代表 武 内  務

 

PSAの異常高値(3桁!)を告げられたのは2004年の秋のことでした。
「5年生存率2割」と告げられ、ようやくの思いで「IMRT」という放射線治療に辿り着きましたが、それまでに、パソコンの前に数週間座り続けるという苦行が必要でした。10年以上経った現在、元気に活動を続けているわけですが、たかが治療情報を見つけるだけで、なぜこのような苦労をしなければいけなかったのでしょうか!

当時は、治療法は医者に聞けば良いという時代で、患者にはほとんど情報が知らせれていませんでした。浸潤がんの患者の治療法は、ほとんどの明記されておらず、IMRTという新しい放射線技術のことは、まだ多くの泌尿器科医が知らないか、信頼していないかのいずれかでした。

前立腺がん患者にとって、欲しい情報がすぐに見つかるサイトが欲しい!
治療が一段落してからは、これを旨として前立腺がんの医療情報の発信と患者さんのサポート活動を続けてきました。
こうして生まれた「腺友ネット」は、現在平均300人/日以上がアクセスするサイトとなっており、掲示板の閲覧は600件/日を超えています。
直接お会いして、ご相談を受けることも多いのですが、お医者さんが説明される百の理屈よりも、今、自分と似たような病状の人間が、元気に目の前に居る!というその現実のほうが、大きなインパクトを与え、勇気が湧いてくるんでしょうね。これがピアサポートの強みであり、患者会が必要とされる原点でもあるのでしょう。

乳がん患者会は大小合わせると200~300あると言われていますが、男性で最も患者数が多いと言われる前立腺がんでは、まとまった患者会は一つもありません(特定の施設、特定の治療法の患者会ならあるようです)。前立腺がんが罹患率一位となっている米国では、前立腺がんの患者会は当たり前かつ活発に活動しています。こうして考えてみると、現在我国に前立腺がんの患者会が存在しないということが、そもそも不思議と言えなくもありません。

2006年に成立したがん対策基本法では、医療関係者や行政もなるべく患者の声に耳を傾けようという姿勢が打ち出されています。前立腺がんでも、病歴が長くなると医療環境についても色々と思うところも出てくると思うのですが、個人ではそれを伝える手立てもありませんが、患者会という形があるなら、そのような意向を伝えることも可能ではないでしょうか。

漠然とした思いがようやく煮詰まってきて、このたび「腺友倶楽部」なる前立腺がんの患者会(当面は任意団体)を設立することを決意しました。オンラインの患者会をベースとしながら、各地のリアルな患者会の設立にも関与することができればと考えています。それらをつなぐ役割を、情報提供サイトである「腺友ネット」で担えればと。
現時点はこのぐらいのイメージしかありませんが、幸いにして「腺友ネット」に出入りする患者さん(ご家族)はかなりたくさん居られますので、オンラインの患者会としては、およその輪郭はできているようにも思いますが、さてと実際はどうなることでしょう。

思い切って、ここに「腺友倶楽部」のウェブサイトを立上げました。
まずはウェッブ上で入会申込の受付を始めるところからスタートし、会員の中から運営に協力いただける人を募りつつ、今後の組織形態を徐々に整えていければと思っています。
”3人寄れば文殊の知恵”・・・腺友の皆さん、1人で悩む必要はありません!
始めはだれでも「頼る人」。しかしやがて「頼られる人」となり、「腺友倶楽部」を動かす人になってほしいと願っています。
どうぞ力をお貸しください。
ご協力のほど、どうぞよろしくお願いします。

 https://pc-pc.org/aboutより引用。

 

まとまりにくさ

 「自分の専門分野に詳しい医師でも、全ての治療法に通じている人はいない。専門でない分野は詳しく説明してくれない」。

武内さんはその痛切な経験から、自ら集めた情報を掲載するウェブサイト「腺友ネット」を開設。掲示板に問い合わせの書き込みをするなどして集まった人たちと、26年に会を設立した。

 全国的な前立腺がん患者会は初めてとみられるが、なぜ男性はまとまりにくいのか。武内さんは男性特有の傾向を感じている。

 「女性は2、3人でも話が弾み、すぐに動いて取りあえず会をつくり、行動を始める。男性は集まってもあまり話さず、先が見通せないと動きださない」という。

 積極的な会員勧誘をせず、自主的に情報を求める人を受け入れてきたが、会員は1年前の約120人から300人を超えるまでに増えた。

 

男性患者会をつくる意義

 男性患者会をつくる意義はどこにあるのか。

 前立腺がん治療に長年携わるJCHO東京新宿メディカルセンターの赤倉功一郎副院長(泌尿器科)は「社会的に発言していく力になる」と期待する。

 赤倉さんによると、新しい治療法や薬の承認、保険の適用などが患者団体の要望を受けて加速した例は数多い。普及啓発などで社会に対して患者が積極的に働き掛ける意味も大きいという。

 

乳がんなどでは治療選択の助けになる患者向けガイドラインが作成されているが、ここには患者の意見が反映されている。

赤倉さんは「患者会が客観的、中立的な立場から声を上げていくことが大切だ」と話した。

 

患者会での情報利用の注意点

注意が必要なのは、患者会で新しい情報を知ったり、ほかの患者の治療経験を伝え聞いたりしても、それが直ちに自分の治療の選択肢とはなり得ないこと。

赤倉さんの経験では、それまでと違う治療法が受けられるかどうかを相談してくる患者の大半は、その治療法の適用から外れていた。赤倉さんは「病状やがんの性質などは患者ごとに千差万別。情報を理解した上で、最終的には、主治医とよく相談して決めるべきだ」と強調している。