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【がん発症】予防は万全ではない。発症は「運」が最大要因。患者が悪いわけではない。

喫煙などがんのリスクとなる生活習慣が明らかになってきた。改善すればがんを予防できるかもしれないが、全てのがんが予防できるわけではない。

 

「がん予防」のための啓発活動が、患者を苦しめることがあっては本末転倒だ。

 

以下に考察する。

 

 

本当の原因はわからない

「中学校の授業でお医者さんから『がんは生活習慣病』と説明された。お母さんは生活習慣が悪いからがんになったのか、とショックだった」

 卵巣がん患者を支援する患者団体「スマイリー」の片木美穂代表は、がん教育の特別授業を受けた子どもから相談の電話をたびたび受ける。

小児卵巣がんの子どもが泣きながら電話をかけてきたこともある。

その都度「患者一人一人、がんになる本当の原因は分からない。がんの人がみんな生活習慣が悪いわけではないよ」と言葉をかけている。

ransougan.e-ryouiku.net

 

がんは遺伝子の病気。

人間の細胞は新しいものと入れ替わるために分裂したり増殖したりする。

その際、遺伝子が複製され受け継がれるが、複製ミスが起こると異常な細胞が生じ、がんが発生する。

長生きすれば複製の回数も増えるためミスが生じる機会も増す。

 

「2人に1人」という高いがん発症率は日本社会の長寿命化の表れでもある。

 

がん発症の生活習慣との関係

本当の原因は、患者1人1人わからない。

しかし、生活習慣との関係性は大きいと認識しなければならない。

喫煙や飲酒などがあると遺伝子の変異が起きやすくなるからだ。

 

各種がんとの関連性一覧。

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がんと生活習慣の関係(国立がんセンター

 

社会と健康研究センター長

「がんの原因がすべて説明できるわけではない。がんには親からの遺伝要因や『運』も関与している」

社会と健康研究センター

この「運」こそが発症に最も関与している。

 

がん発症に影響した要因

米国のチームが世界のがん患者のデータベースを調べ、がんの発症に影響した要因を分析した。

偶発的な遺伝子の複製ミスが66%と最も多かった。

つまり7割近くが「運」次第であるということ。

 

これに対して、喫煙や食事といった生活習慣などの環境要因は29%。

遺伝要因はわずかに5%であった。

 

上記以外では、

ヘリコバクターピロリ菌:胃がん

ヒトパピローマウイルス:子宮頸がん

B型肝炎ウイルス(HPV)・C型肝炎ウイルスHCV):肝がん

 

五つの健康習慣

1禁煙

タバコは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。

2食事

塩分摂取は最低限に。野菜や果物不足にならないように注意する。

3適正体重

中高年男性BMI:21~27。

女性:21~25。

身体活動

歩行や歩行と同等以上の運動を1日60分。

5節酒

1日当たりアルコール量約23グラムまで。

 

がん予防について言えること

社会と健康研究センター長

「禁煙や節酒など五つの健康習慣を実践するとがんのリスクが半減した。予防でがんのリスクをゼロにはできないが、下げる意義はある。生活習慣を見直せば、循環器病などの病気の予防にもつながる。」

 

日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科医

「禁煙は重要だ。しかし、日本のがん教育が予防を強調しすぎたために患者を傷つける事態が起こっている。予防だけでなくがん全体の正しい知識を伝えることが重要だ。」

 

予防は万全ではない。

運が最大の要因。

患者を傷つけている現状は予防に力が置かれすぎているから。

がん全体の知識を啓もうし続ける必要性が高い。

 

高齢者の発症と遺伝の関係

「がん家系」という表現があるが、漠然と家族や親族にがんが多い場合を指すことが多い。しかし実際には家族がよく似た生活習慣を持つためがんになった場合も含まれる。

 

2人に1人ががんになる時代に、家族にがん患者が複数人いても不思議はない。

 

順天堂大学ゲノム診療センター副センター長

https://www.juntendo.ac.jp/graduate/genome/info_index.html

「若くしてがんになる人が多ければ、遺伝子の可能性があるので遺伝カウンセリングを検討してもよい。しかし高齢でがんになっている場合は遺伝の関与は低いだろう。」

 

毎日新聞

mainichi.jp