働くことは生きること。
認知症と診断されても、いつもの自分でいられる。社会とつながって満足して生きていける。
認知症の先人は声を上げ、実践し豊かに生きている。
若年性認知症を罹患する年代は働き盛り。問題点も多い。
下記に実践経験をまとめたい。
若年性認知症の就労
認知症は高齢者だけではなく働き盛りの世代でも発症する。
65歳未満では「若年性認知症」と診断される。
「仕事が続けられるかどうか」悩みも大きく、休職や退職せざるを得ない人が多い。
・埼玉県40代男性、土地家屋調査を行う民間業者勤務。
日常生活は不自由しなかった。
しかし、「自分がどんな仕事をしているのか一切思い出せなかった」。
仕事上の異変。
・コピー依頼されたがすぐに「何をするんでしたっけ」と同僚に尋ねる。
・CADの使用方法の説明を受けるが覚えられない。
・業務の支持が理解できず、思っていることが言葉にできない。
・当初は「疲れているからだろう」と深刻に受け止めなかった。
その後受診し認知症の診断を受ける。
職場に伝えると、上司は戸惑った様子であったが業務内容を変えてくれた。
・比較的容易なデータ入力や文書作成業務。
ミスしないように注意したが、簡単な書類1枚に1時間以上かかった。
同僚のチェックを受けるとミスも見つかった。
職場は親身にサポートしてくれたが、「自分は何の役にも立っていない」といづらさが募った。
大きなミスが追い打ちをかけ診断から3か月後休職した。
若年性認知症支援コーディネーター
「これからの収入源をどうするのか一番心配」と不安は尽きない。
しかし心強い支援者もいる。
<若年性認知症支援コーディネーター>
「退職するしかない」と思い詰めていた男性に、休職して今後のことを考えてみるようにアドバイス。休職の申し入れも手伝った。
「今の仕事を続けるのか、新しい仕事を探すのか、症状や能力をふまえながら、男性が納得して選択できるよう助言したい」と話す。
若年認知症者の退職者の割合
認知症介護研究・研修大府センターの調査によると、
調査した1411人では、自ら退職する人が7割を超すという。
解雇8%。
就労中11%だが、3割超は休職中であった。
就労デイサービス
「就労デイサービス」と名付けてモデル的に事業を始めたのは東京都日野市にある介護事業所だという。
軽度認知症やアルコール依存症、引きこもりの人などに、現役時代の仕事や特技、趣味の腕を発揮してもらおうとした。「仕事の場」なら、参加意欲がわくのでは、と考えたのだ。
介護保険のデイサービス。要介護の高齢者が日中、入浴、食事、レクリエーションなどをして過ごす。引きこもりを防ぎ、活動を促す。
男性や若年性認知症の人には人気がない。「そぐわない」。
産経新聞、佐藤好美さんの記事に詳しく説明されている。
・元調理師の認知症男性。
・和菓子職人だった男性。
張り切って活躍できる作業を依頼した。
環境調整も大切であった。
基本的生活習慣の形成が促され、飲酒量が減る変化も見られたらしい。
認知症や障害で介助が必要になっても、「仕事」で何かを生み出したり、地域に貢献したりが喜びであるのは変わらない。生きがいとかやりがいは生活の張りになる。
何もできないと決めつけてしまえば生きる気力まで奪う。
厚生労働省の通知。
就労を認可。
「若年性認知症の方を中心とした介護サービス事業所における地域での社会参加活動の実施について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000340865.pdf
若年性認知症の人などが、介護サービス利用中に企業などで“働き”、その対価として幾ばくかの謝礼を受けることは可能だとの内容だ。
就労の課題と工夫
一般社団法人「認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ」
www.dementia-friendly-japan.jp
冊子を発行。
「認知症の人の『はたらく』のススメ」
使役労働(しえきろうどう)になるようでは本末転倒。
・本人がやりたい仕事
・納期や量が柔軟
・働く側の体調も考慮
など、仕事を頼む側の理解と寛容さは不可欠。
認知症就労実践例
注文をまちがえる料理店
読売新聞「認知症と就労」
認知症と就労(下)働ける環境へ 配慮と工夫 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)
清掃。
木工品製造販売会社
「木工房 いつでもゆめを」
https://itsudemoyume.wixsite.com/mokkoubou/about-2
職場での支援のポイント
就労支援の手引き | 各種冊子・書籍案内 | 北海道若年認知症の人と家族の会[北海道ひまわりの会]