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がん患者会・家族会の活動の意味・種類を考える。海外の活動も参考に。

2020年1月27日 読売新聞にて。

www.yomiuri.co.jp

 

日本対がん協会会長の垣添忠生さんが読売新聞に寄稿されている。

 

患者会や家族の会の活動について言及されている。

団体での活動の今後の方向性についても提言されている。

海外の事例も紹介されている。

 

がん患者会・家族会の活動の種類や意味について以下に考えていきたい。

 

 

がんに関する団体の種類

日本国内のがんに関する団体は2種類ある。

 

「がん患者会

がん患者が中心となって組織される。

 

・患者や家族が集うサロンの開催

 

・情報交換などを主に行っている。

 

「がん患者・家族支援団体」

がん患者の就労や社会的課題にも取り組む。

 

ただし、区別が難しい団体もある。個人の支援、社会的課題の解決など同時複数に取り組む団体もある。

 

患者会が組織される背景

がん患者やその家族が孤立しがちな現実がある。

がんは診断・治療の進歩により、治る病気に変わりつつある。

国立がん研究センターの調査では、5年生存率は年々改善しており、今や66%となった。

 

世の中にいまだ根強い「がんは死の病」というイメージがあるためとされる。

患者・家族らは強い疎外感にさいなまれる。

 

これらの苦悩を解消し孤立させないように、彼らに寄り添い支援することが世界的な潮流になっている。

 

その主人公となるのが、「がん患者会」や「がん患者・家族支援団体」である。

 

「がん患者会」の活動(国内)

日本国内では、がんの種類を問わず、すべてのがんを対象とした患者会が多いらしい。

 

例えば、

一般社団法人全国がん患者団体連合会(全がん連)

zenganren.jp

全国42団体が加盟している。

・がん医療の向上

・がんになっても安心して暮らせる社会の実現

を目指す団体だ。

 

個別のがん患者会乳がんを例に)

個別のがんを対象とした患者会は、乳がんが最も多いとみられる。

理由として

乳がんは闘病期間が長い。

・女性は男性よりも患者会活動に熱心な傾向がある。

と考えられる。

例えば、

www.akebono-net.org

40年近い歴史がある。

乳がん患者会の代表的なものではないか。

 

「がん患者・家族支援団体」の活動(国内)

公益財団法人「日本対がん協会

www.jcancer.jp

1958年設立。

「リレーフォーライフ(命のリレー)」

https://relayforlife.jp/

無料電話相談。

年間1200万人の検診を行っている。国内最大の検診機関でもある。

 

NPO法人キャンサーネットジャパン

科学的根拠に基づく正確な情報を発信するために、フォーラムの開催、ビデオ・冊子作製など様々な活動を行っている。

https://www.cancernet.jp/

 

NPO法人「パンキャンジャパン」

難治性がんの代表である膵臓がん(すいぞうがん)の新しい治療法などを積極的に発信している。

https://www.facebook.com/pancanjapan/

NPO法人「マギーズ東京」

がん患者や家族らが気軽に集まって専門家のアドヴァイスも受けられる場を提供している。

maggiestokyo.org

 

公益財団法人「正力厚生会」

がん患者会の活動資金の一部を助成している。

shourikikouseikai.or.jp

 

患者・家族支援の方法

・新薬の承認を目指す治験情報の紹介。

・患者・家族に交流の場の提供

力の置き方は各団体違う。

 

情報発信も多様。

・電話相談やカフェの開催。人と人を」直接つなぐ。

・広く全国に情報を届けるためにネットを重視する。

 

患者・家族支援という方向性は同じ。

 

各団体の今後の課題・方向性

各団体の活動はかなり重なり合うものが多い。

共通のプラとフォームを創出し、対がん活動として大きな絵を描いていくことが今後の重要なテーマ。

 

具体的には大同団結し、自分たちの願いを行政や政治の場に訴えて、未達成の政策課題の解決策を提言していくべきであろう。

 

当事者が声を上げていくことこそが、社会の変革につながる。

 

海外のがん患者会・がん患者家族支援団体

海外の患者会・患者家族支援団体は規模が大きく、活動も活発なようだ。

「スーザン・G・コーメン乳がん財団」(患者会

 1982年設立。

スーザンさんが36歳で乳がんで亡くなり、妹が設立。

 

設立以来総額約1000億円の資金を乳がんの研究などに支出してきた。

2026年までに現在の乳がん死亡者数を50%減らすことを目標としている。

 

積極的に連邦・州政府に提言を行っている。

 

「国際対がん連合(UICC)」(がん患者4・家族支援団体)

スイスのジュネーブに本部がある。

世界170か国から1000を超える団体から組織される。

 

日本からは「UICC日本委員会」が参加している。

がん研究会、国立がん研究センター日本対がん協会などから組織されている。

 

「米国対がん協会」

世界最大規模のがん患者・家族支援団体。

年間予算は約950億円。

150万人のボランティアを抱える。

電話相談センターでは365日24時間、無料で相談に応じている。

 

患者が自らの健康に主体的に関わる

 近年、ヨーロッパを中心に重視されている理念がある。

「Patient Health Engagement(PHE)」

「患者が自らの健康に主体的に関わる」という意味。

 

患者が自分の病気を理解し、前向きに立ち向かうことが、病気の改善や治療成績の向上につながるという考え方。

 

PHEの考え方に基づき「国際腎がん連合」は、医療関係者らを巻き込み、希望をもって生きる患者と家族の物語を本として刊行したり、世界各地の患者・家族支援団体を支援している。

 

私も腎がん経験者として、2019年4月ポルトガルリスボンでの会議に参加して、生き生きとした患者の姿に強い印象を受けた。 

 日本対がん協会会長の垣添忠生さんが読売新聞より抜粋。

 

集団の力

「何かに所属する」ことで大きな力が発揮できる。

特に欧米人に見られる政治的影響力を持つ「結社」や「ロビー団体の結成」などが実例。

集団の力を通じて、個人や個別の目標を達成してきた。

 

日本の患者・家族支援のあり方を考えるうえで海外の取り組み、集団の力を考えることは重要な道しるべになる。