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【病とともに生きる】社会とのつながりが生きる力に。キャンサーペアレンツ代表理事・西口洋平さん

はじめに

AYA世代は、15歳から39歳までの思春期と若年成人のことを指している。

 

AYA世代のがん患者には進学、就職、結婚、子育てなど中高年とは違った課題が存在する。

 

子供を持つがん患者のための団体「キャンサーペアレンツ」を立ち上げた、代表理事の西口洋平さんについて調べました。

 

 

診断について

 

平成27年、35歳のときに、胆管がんの診断。

 

前年から下痢や白っぽい便がでたりと体調が悪かった。

 

黄疸も(おうだん)もあった。

 

医師から「悪性腫瘍です」と告げられてもがんのことだとは分からず、実感もわかなかった。

 

診断告知後、すぐに母親に電話した。

病名を言おうとしてもなかなか言葉が出てこなかった。

 

「がんって言われたんだ」と絞り出すように伝えると涙があふれた。

 

2週間後に手術した

開腹したら、リンパ節転移していた。

腹膜播種(腹膜播種)*1もみつかった。

 

ステージ4。

医師から「5年先は考えられない」。

 

「ああ、いよいよまずいな」と思った。

 

子供に伝えるべきか

娘に病気を伝えるべきか、ずっと悩んだ。

 

診断当時、娘は小学校入学前の6歳。

 

迷った。

1)自分自身もこの先どうなるのかわからなかった。

2)中途半端に伝えて不安にさせたくなかった。

3)話したとしても理解できるのか。

 

妻にも相談した。

結論は出なかった。

 

一人で抱え込みモヤモヤしていた。

 

気持ちが楽になったこと

診断から半年たったころ。

妻が子供に話しておいてくれたようだ。

 

自宅でテレビを見ているときに、出演タレントを見て娘が「父ちゃんと同じ病気だね」と言った。

 

娘は深刻になりすぎずに受け止めてくれたようだった。

 

「知っていたんだ」と気持ちが軽くなった。

 

 

キャンサーペアレンツの活動を始める

治療と並行して平成28年から、キャンサーペアレンツの活動を始めた。

 

cancer-parents.com

 

活動開始のきっかけは、

1)同世代のがん患者がいなかったこと。

2)子供への病気の伝え方になやんだときに情報をみつけられなかったこと。

 

大きな孤独感を抱えていたので。

 

 

キャンサーペアレントで実現したいこと

 

つながることで、前向きに

同じ境遇の方に出会い、仲間ができることで、気持ちがラクになる。孤独感から解放される。これからの闘病に希望がもてる。そして、少しずつでも前向きになれる。これまでできなかった、新たな一歩を踏み出せる。そんなサービスでありたい。

 

 

つながることで、前向きに

同じ境遇の方に出会い、仲間ができることで、気持ちがラクになる。孤独感から解放される。これからの闘病に希望がもてる。そして、少しずつでも前向きになれる。これまでできなかった、新たな一歩を踏み出せる。そんなサービスでありたい。

 

 

生きやすい社会へ

がんになっても子育てしやすい、働きやすい、前向きに、生きていきやすい社会の実現へ。がん患者のチカラが、世の中を変えていきます。きっと変わります。こどもの世代のためにも、同じことで悩まないよう、変えていきます。そんなサービスでありたい。

 

cancer-parents.org

↑引用しました。

 

 

社会とつながることが生きる力に

統計上3%しか生きられないといわれたが、診断されてから5年以上。

 

ここまでこれたのは、仲間ができて、心のモヤモヤを共有できたことも大きいと感じる。

 

①キャンサーペアレンツの活動

②仕事

③父親

 

と、いろんな役割があったからこそ治療を頑張ろうと思えた。

 

 

患者同士の交流だけでなく、患者自身が仕事や活動に参加し、積極的に社会とつながることが、明日を生きる力になるのではないでしょうか。

*1:腫瘍が腹膜に種をまいたように散らばった状態